第2部 (7).番組制作4

番組の版権1 版権はどこにあるの?

おさらい

 

テレビ番組には「やらせ」がある。

一般人の投稿がテレビで流れるようになって、テレビ放送もYoutubeも差がなくなってきたという話でした。

 

テレビ番組の版権はどこにあるのでしょう?

 

テレビ局? 制作会社?

 

 この辺はいろいろです。

https://www.fujitv.co.jp/company/action/seisaku/rights.html

 

 ただ、一般的には一定期間、一定回数の放映権を放送局が持つことが多いようす。

 今までは、その期間を過ぎると制作会社に版権が戻るこのが一般的でした。

https://business.bengo4.com/category5/practice269

 

 現在は、DVDやネット配信など版権商売が多岐にわたり、放送局やその系列会社が買い取ることが増えてきました。

 

それでもトラブルは絶えません。

 

 

超時空要塞マクロス

 

 リンク先には、「マクロス」というアニメの版権が裁判で争われた話が書いてあります。

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2005_11/051101.pdf

 

  これは、制作会社とその下の会社の版権争いだったようです。番組制作会社もさらに仕事を下請けに出しているので、話がややこしくなります。

 

 さらに、このリンク先の後半には、放送局は実際に制作していないので版権所有者ではない。ただし、買い取りは可能。ところが、優越的立場の乱用で安く買いたたくいているのでは?といった話が出てきます。

 

 問題は、1回放映した段階で元を取っており、放映後の版権は、二次利用でしかないというところにあります。

 映画やDVDと違ってテレビ放送の場合、製作費を負担するといってもスポンサーや受信料で負担しており、さらに制作会社、下請け、孫請けと仕事が流れます。放送局が版権を主張するのはおかしな話だと思います。

 

 例えば、NHKは受信料で番組制作をしています。

放映後にDVDなどの利益が出れば、それは受信料を払った人に還元する必要があるのではないでしょうか?

民放ならスポンサーに還元しなければならない筈です。

 

 放送局が元を取った番組を、制作もしていない番組の版権料でさらに利益を上げるというのはおかしな話です。

 

 局が独自に番組を作って自分でスポンサーを探すというパターンなら版権も主張できるでしょうが、それは、一部のローカルワイド番組とローカルニュース番組ぐらいでしょう。

 

 本来なら、放送局は映画館であって、1回限りの放映権を制作会社から買って放映、放映料のみをスポンサーや受信契約者の負担とするのが筋でしょう。

 

・深夜アニメ

 20年ぐらい前から深夜にアニメが放映されるようになりました。これは、DVDやキャラクターグッズの販売を前提に安い放映料で放映するものです。テレビ局は版権を持たず、制作会社あるいは広告代理店が関連商売をします。スポンサーがつかなくてもリスクを制作者側が持って番組を作るという方式で、現在でも続いています。

 

 現状を考えるとこのパターンが本来の姿のように思います。

特定のプロパガンダは禁止すべきだと思いますが、

多チャンネル化・多元化して、多様性を担保するのが本来の有るべき姿だと思っています。

 

 そして、テレビ報道(マスコミ)の情報は是々非々で見るというのがポイントだと思います。

 

次回は、番組の動画サイトへの投稿について、「番組、youtubeに流れる。」です。

・おまけ 地方局物語 (4).行く年くる年 2  中尊寺、山寺

このコーナーでは、父に聞いた放送局のエピソードや思い出をいくつか紹介します。

 

 今回は行く年くる年の話の続きです。

 

 ラジオ時代の行く年くる年の除夜の鐘中継では県外にも遠征していて、中尊寺(岩手、平泉)、山寺(山形)からの除夜の鐘も中継したそうです。

 

 各県に放送局があるのでは?と思うのですが、昭和30年代前半は他県に行って中継することも多かったようです。

 

 中尊寺からの中継の時は、電電公社(現NTT)から中継回線を借り、全国に中継したとのことでした。

 

 山寺からの中継の時は山寺の上の方にアンテナを立てたら仙台の放送局に電波が届いたので、それで中継したとのことでした。

 仙台から山寺まで行く途中には峠があり、雪で機材を積んだトラックが立ち往生、現地に行くまでが大変だったそうです。

 

 どちらも、宿泊先は寺の宿坊で、何日も前から泊まって準備をしたとのことでした。