第1部 (2).地デジって何?

おさらい

 

 アナログから地デジに切り替えたことによって、実質的に使えるチャンネル数が増えたという話でした。

 

難視聴対策

 

 東京が民放5局になっても地方は民放2局という体制が続きました。これは、郵政省の方針で市場規模?ごとに局数を制限した行政的な理由によるものです。むしろ、旧郵政省は難視聴地域解消の方に並々ならぬ意欲を持っていたようで、免許制度を駆使して放送の普及に勤めたようです。要は、混信しないように工夫しながら中継局をたくさん作ったということです。

 それでも、UHF放送が始まってチャンネル数が62まで増えてからは地方に3局目、4局目の免許が下りるようになりました。そんな中でもなぜか東京では地域局(TV神奈川、MXTVなど)以外に新たに免許が出ることはありませんでした。この辺も郵政省の方針ですが、中継局との絡みかな?と思います。

 

・地上デジタル放送って何のために始めたの?

 ハイビジョンの普及というのもありますが。地デジを始めた大きな理由はチャンネル不足と混信の解消です。

 偶数あるいは奇数チャンネルしか使えない、携帯など他の無線で周波数を割り当ててほしいという要望が増えたなどの理由で、地デジに切り替えたというのが真相です。

・地上デジタル放送にはどんなメリットがあるの?

 混信が排除できました。偶数チャンネルだけとか奇数チャンネルだけしか使えないとかの制約がなくなりました。これには、モノクロ放送にカラー信号を後から加えたという経緯があり技術が上がっても分離が難しかったという問題の解決も含まれます。

 さらに、同じチャンネルで西と東から電波が来たところでも混信を排除し、どちらかだけの信号を取り出すことができるようになりました。これによって同じチャンネルが隣り合った地域で使えるので干渉エリアが必要なくなりました。東京と横浜で同じチャンネルで放送しても混信なしで受信できるということです。

何チャンネルまで増やせるの?

 現在の地デジは40チャンネル分の帯域です。旧1~12chと53~62ch分はテレビ放送から外されました。

 現在の技術なら、一地域で同時に40チャンネル分の放送が送信・受信できます。

 

 では、なぜチャンネル数が増えないかの話は次回に。

・おまけ 放送局の思い出

昭和40年代の前半の話ですが、私が幼いころ父は仕事に忙しく家族旅行はほとんどしたことがありませんでした。それでも、日曜日になると父に連れられ職場(放送局)によく行くことがありました。放送局の社屋の中でよく遊んだ記憶があります。手の空いたアナウンサーによく子守をしてもらうこともありました。私は幼いころ人見知りが激しかったのですが、このアナウンサーにはなついていて、玄関の錦鯉を見たり、社食でカレーを食べたりしていました。

 今では考えられない話ですが、当時この辺はおおらかでアグネスも真っ青といった話でした。

 

参考 アグネス論争