朝日新聞「神器、首相の万歳…前例を次々踏襲 あす即位礼正殿の儀」

■ニュースメディア

朝日新聞

 

■ニュースタイトル

「神器、首相の万歳…前例を次々踏襲

 あす即位礼正殿の儀」

 

■ニュース掲載・報道日

2019年10月21日

 

■フェイク箇所

  天皇陛下が内外に即位を宣言する国の行事「即位礼正殿の儀」が22日に行われる。平成の代替わり時、宗教色を指摘される高御座(たかみくら)や剣璽(けんじ)が使われることが、憲法が定める国民主権や政教分離の原則に反するなどと議論になったが、今回、政府は早々に「前例」踏襲を決めた。だが、そもそも「前例」とはどういうものなのか。残された課題や問題点を整理した。

 

■フェイク理由・ソースURL・その他

ま~たまた、あの朝日新聞が、お定まりの言いがかりをつけてきましたよ。

こんなの読んでると、つくづく現職首相が安倍さんで良かったと思わずにはいられませんね。

それにしても、

「皇室研究者の高森明勅さんは指摘する。

「登極令に代わる規定を作らなかったのは、政治の怠慢だ。…憲法にふさわしい規定を定めるべきだ」」

って、本当でしょうか?

本当に、高森明勅氏がそんなことを言ったんですか?


【朝日新聞】

テーマ特集:令和・即位

神器、首相の万歳…前例を次々踏襲 あす即位礼正殿の儀

 

喜園尚史 2019/10/21 7:00

 

(画像)

 

 天皇陛下が内外に即位を宣言する国の行事「即位礼正殿の儀」が22日に行われる。平成の代替わり時、宗教色を指摘される高御座(たかみくら)や剣璽(けんじ)が使われることが、憲法が定める国民主権や政教分離の原則に反するなどと議論になったが、今回、政府は早々に「前例」踏襲を決めた。だが、そもそも「前例」とはどういうものなのか。残された課題や問題点を整理した。

 

【特集】皇室とっておき

【特集】令和・即位の礼

 

 「皇位の継承があったときは、即位の礼を行う」。皇室の決まりを定めた皇室典範には、こう記されているだけだ。儀式の細目を定めた旧登極令が戦後廃止され、それに代わる規定がなかったため、昭和から平成への代替わり時は同令にならった。

 

 だが、この規定は天皇主権国家となった明治末期につくられた。高御座に置かれる剣と璽(じ)は、鏡も合わせて「三種の神器」と呼ばれ、日本書紀や古事記の天孫降臨の神話に結びついている。戦前の旧典範には皇位継承の際に「神器を承く」と明記されていたが、宗教色があるとして戦後の典範からは削除された。高御座も、天孫降臨の神話を具象化したものと言われる。

 

 天皇主権下の規定をもとに、前回、初めて新憲法下での即位礼正殿の儀(1990年11月)の細目が検討された。そこには、憲法への抵触を避けるために様々な苦心の跡がみられた。

 

 ▽高御座に剣や璽(まがたま)とともに、公務に使う天皇と国の印(御璽と国璽)を置いた。政府は、剣璽について皇室経済法で規定されている「皇位とともに使われている由緒物」として、国事行為に使うことは問題ないとの立場だ。その一方で「少しでも儀式の宗教色を薄めたい」(当時の内閣法制局幹部)との狙いがあった。

 

▽首相が立つ位置を、天皇陛下が上る高御座と同じ宮殿松の間にした。先例にならい、首相は部屋から庭に降りて万歳することを求める声があったが、「戦前と違う国民主権の民主主義国家であることを示そうと努力した」(当時の海部俊樹元首相)。

 

▽首相の万歳発声は「天皇陛下、万歳」の前に「ご即位を祝して」との一節を加えた。戦時中の記憶を想起させるとの指摘もあり、万歳の趣旨を限定した。

 

▽宮殿中庭の旗類から、八咫烏(やたがらす)など神武神話に基づくものは外した。

 

即位礼正殿の儀に先立って行われた昭和天皇の葬儀(89年2月)でも、検討が進められた。宗教色のある皇室行事「葬場殿の儀」と、国の儀式である「大喪の礼」に切り分けたが、連続して行われるため、葬場殿の儀にも鳥居を建てるわけにはいかない。そこで思いついたのが、いったん葬場殿の儀で建てた鳥居を大喪の礼の前に取り外すために、鳥居に滑車を付けるという作戦だった。

 

こうして一連の代替わり行事が行われたが、政教分離や国民主権の規定をめぐって疑念は残り、即位の礼・大嘗祭(だいじょうさい)への公費支出差し止めを求める違憲訴訟が相次いだ。大阪高裁は95年3月、請求自体は退けたが、剣璽や高御座について「宗教的な要素を払拭していない」「政教分離規定に違反するのではないかとの疑いを一概に否定できない」と指摘。天皇が主権者代表の首相を見下ろす位置に立つことには「現憲法の趣旨にふさわしくない点がなお存在することも否定できない」と述べた。

 

これが、「前例」の実態だ。ほぼ戦前にならった皇位継承の形が、象徴天皇にふさわしいのか。憲法との整合性で苦心した当時の政府関係者は「本来なら、戦後の早い時期から国会で議論して細則を作るべきだった」と振り返った。

 

そして今回。皇位継承を実現する退位特例法の成立(2017年6月)後も検討する時間があったのに、政府の式典準備委員会は、3回合わせて1時間余りの会合で「前例」踏襲を決めた。皇室研究者の高森明勅さんは指摘する。「登極令に代わる規定を作らなかったのは、政治の怠慢だ。今後を見据え、皇位継承や退位とともに代替わりの儀式についても国会で議論し、憲法にふさわしい規定を定めるべきだ」

(喜園尚史)