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世界主要国の電気通信に関する詳細情報 24

24.ハンガリー

 

1.報道内容に対する監視機構と罰則規定等について

 2010年メディア法(Act CLXXXV of 2010 on Media Services and Mass Communication) の定めにより、メディアコンテンツの内容等について非常に細分化されたカテゴリーが設定されている。

 年齢区分は、児童(6歳未満)、青少年(12歳未満及び16歳未満)、未成年(18歳未満)に分かれており、それぞれの発達状態を考慮し段階別の保護を実現するため、精神的或いは道徳的に問題の起こる可能性のある暴力や過激な性的表現等を含むメディアについては、番組の放送前にこれらの対象年齢カテゴリーの表示が義務付けられ、更に年齢カテゴリー別に放送時間の制限が設定されている。これらとは別に、宗教や信仰に有害な可能性のあるイメージや音響効果等については事前の予告を行う必要がある

 また、全年齢が対象となる普遍的な禁止事項は同第20条に列記されており、人間の尊厳を棄損するものや性別、人種、民族、国籍等に対する差別と、未成年に対する直接的な広告、アルコール等に対する配慮(アルコールに対する肯定的な表現を行ってはならない) 等のほか、政党や政治運動団体、煙草製造企業等の番組スポンサ一規制等が定められている

 更に、年開放送時間の50%以上をEU諸国内番組、1/3以上をハンガリ一国内番組に割り当てる必要がある。

これらの規制と監督権限は2010年メディア法によりメディア・情報通信庁(Nemzeti Média- és Hírközlési Hatóság MNHH)及びその下部組織であるメディア評議会(Médiatanács) に与えられており、違反に対しその内容の軽重を鑑み、放送事業者等に対し罰金や放送停止等の処分が下される。

 

 なお、公共サービスメディアに対しては社会的多様性の維持が強調されており、同第83条にその目的は国家の結束と社会統合の推進等と共に、多くの社会的集団と文化に対処することと、ハンガリ一文化及び少数民族の文化とハンガリー語の尊重、それらを広める放送プログラムの発表等が明記されている。

 

 2010年メディア法(ActCLXXXV of 2010 on Media Services and Mass Communication)の全文は以下のWebサイトを参照

 http://nmhh.hu/dokumentum/106487/act_clxxx_on_media_services_and_mass_media.pdf

 

 

2. クロスメディアオーナーシップ等の報道機関の一定地域における情報提供の占有や支配に関する各種規制について

 2010年メディア法第72条により、メディアの多様性確保に関し、同一事業者が保有するメディアサービスは提供されるメディアサービス全体の1/4を超えてはならず、かっ無線放送によるメディアサービスの1/2を超えてはならないという規制が存在する。

 また、同一事業者は全国放送1局か、地域放送2局及びローカル局4局、ローカル局12局のいずれかを上限とする事業規制が存在する。

 また、年間平均シェア率が35%を超える業者は新規のメディアサービスを開始することができないとする事業規制がある。

 

 

3. 電波オークション制度について

 2014年に電波オークションが実施されているが、今後の電波オークションに関してはメディア・情報通信庁(NMHH)により策定された周波数戦略2016~2020に合わせ、周波数管理と整理及びオークション等による再割り当てが行われる予定となっている。

 

・オークション等実施例

・2014年に行われた周波数800MHz帯(帯域790・821MHz/832~862MHz)、900MHz帯(帯域880~885.1MHz/925~930.1MHz)、1.8GHz帯(帯域1725~1740MHz/1820~1835MHz)、2.6GHz帯(帯域2500~2690MHz)のオークションは、4通信事業者により合計1306億HUF(約550億円)で落札された。なお、このオークションで与えられる免許期間は20年で、免許交付後5年以内に人口の96%、及び10年以内に人口の99%の人口カバレッジ義務が課せられている。

 

 2014年オークションの詳細は以下のWebサイトを参照(英語ドラフト版:差異がある場合はハンガリ一語版が優先される)

  http://nmhh.hu/dokumentum/162959/2014_mobile_broadband_tender_documentation_draft_final.pdf

 

4. 電波使用料等について

 電周波数割り当てはメディア・情報通信庁(MNHH)により行われ、テレビ放送には放送ライセンス料が科せられる。また、民間用の通信およびメディアサービスの提供のための周波数配布については、技術的条件や市場の状況を調査し、使用される周波数が互いに妨害しないことや消費者の利益を総合的に考慮して行われるほか、これらすべての放送手続に関する情報は、メディア・情報通信庁(MNHH) により公表されている。

 

 放送手続の詳細は以下のWebサイトを参照

 http://english.nmhh.hu/cikk/647/Musorszoro_adok_radioengedelyezesi_elj arasa_utmutato

 

 

5. その他資料等

・監査機関等

 電気通信全般についての計画立案及び、管理監督はメディア・情報通信庁(NMHH)が行い、メディアコンテンツの内容等に対する審査や監督はメディア・情報通信庁(NMHH) の下部組織であるメディア協議会(Mediatanacs)が行う。

 

(※リンク先が調査時(2017~2018年)から変更になっている場合は、各機関のHPルートに接続します)

・参考資料

 メディア法(Act CLXXXV of 2010 on Media Services and Mass Communication)の詳細は以下のWebサイトを参照

 http://nmhh.hu/dokumentum/106487/act_clxxx_on_media_services_and_mass_media.pdf

 

 2010年プレスの自由とメディアコンテンツの基本規則に関する法(ActCIV of 2010 on the Freedom of the Press and the Fundamental Rules of Media Content) の詳細は以下のWebサイトを参照

 http://nmhh.hu/dokumentum/162262/smtv_110803_en_final.pdf

 

 ハンガリー新メディア規則の詳細は以下のWebサイトを参照

 http://nmhh.hu/dokumentum/2791/1321457199hungary_new_media_regulation_eng_web.pdf

 

 メディア・情報通信庁(NMHH)による周波数管理ソフトウェア Spectrum Management Information System (STIR)

 http://stir.nmhh.hu/?oldal=grafikusNFRT&use_session_filter=0

世界主要国の通信放送等に関する調査報告書 33